がんのセカンドオピニオンでよくある3つの悩みと解消のヒント

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がんにかかるセカンドオピニオンという制度は、患者と家族が納得して次の治療を受けるためにとても良い制度だと思います。

しかし、いざ活用してみようと思うと共通してあがってくる“よくある悩み”があります。

まず、セカンドオピニオンについて、国立がん研究センター「がん情報サービス」では以下のように説明しています。

セカンドオピニオンとは

セカンドオピニオンとは、患者さんが納得のいく治療法を選択することができるように、治療の進行状況、次の段階の治療選択などについて、現在診療を受けている担当医とは別に、違う医療機関の医師に「第2の意見」を求めることです。セカンドオピニオンは、担当医を替えたり、転院したり、治療を受けたりすることだと思っている方もいらっしゃいますが、そうではありません。まず、ほかの医師に意見を聞くことがセカンドオピニオンです。

国立がん研究センター がん情報サービス セカンドオピニオンを活用する より引用

NPO法人5yearsの活動をしているなかで、様々な患者さんとご家族のケースをお聞きしています。
そのなかで、よくある3つの悩みとその解消法のヒントになりそうなことを纏めてみました。

~セカンドオピニオンでよくある3つの悩み~

1. 主治医に伝えたいが、どう伝えればいいか
2. 病院はどうやって選べばよいか
3. 転院するにはどうしたら良いか

この3つの悩みを解消するヒントを以下に順番に記載します。

1. 主治医への伝え方

セカンドオピニオンを受けたいが主治医との関係が悪くなることを心配して、なかなか言い出せない方がいらっしゃいます。
特に転院したいとまでは思っていない方や、病院を移ることに不安がある場合、或いは主治医との間に精神的な距離がある方は、とても伝えにくいと言われます。
一方で、セカンドオピニオン外来を受ける場合、主治医からの紹介状が必要になりますので伝えないと前に進めません。

❏ 一番良い方法

私はたとえ伝え難いテーマだとしても「(〇〇病院で)セカンドオピニオンを聞いてみたいので、紹介状をお願いします」と誠実に伝えるべきだと思います。

ただ、それが言えたら悩んでいませんと言われる方には、私がいろんな患者さんたちから聞いた「関係が悪くならなかった言い回し」例をご紹介しています。

❏ 他の人が希望していることにする

例えば…、
「実家の父親が、どうしても○○病院の意見を聞きたいと言うので、紹介状をお願いします」

「私のことを心配する息子が、いろいろと調べて、〇〇病院からのセカンドオピニオンをどうしても聞きたいと言うんです」

「先日、家族で会議したら、次の治療の前に一応セカンドオピニオンをもらいましょうとなっちゃったもんですから…」

❏ 自分を理解してもらう

例えば…、
「昔から慎重な性格で、大事なことを決めるときは他の人の意見を聞かないと何も決められないんです…」

これらは、あくまで、ある患者さんがその主治医の方と当時話した時、関係を悪化させることなく依頼できたというだけで、どんな場面でも有効という訳ではありません。
大事なお願いをするときの参考程度として頂ければと思います。

2. 病院の選び方

首都圏には数多くの医療機関がある一方、地方では施設が限られているなど、地域によって状況が異なると思います。
ここでは地域によらず共通することを記します。

❏ がん診療連携拠点病院等

がん対策基本法が施行されて以降、各都道府県にがん診療連携拠点病院があります。
その施設の殆どにがん相談支援センターがありますから、そこに問い合わせてセカンドオピニオン外来を行っている病院を確認するのは良いと思います。
もし具体的な治療方法に関する質問であれば、それを相談支援センターのスタッフに伝えると何らかのアドバイスをもらえるかもしれません。

3. 転院の可能性

セカンドオピニオンを転院の機会と同じように考えている人がいますが、この制度はそういうものではありません。
ただ、転院を検討しているが、どんな病院なのか解らないから、まず治療方針を聞きたいと言う人もいるでしょう。
また、セカンドオピニオンを聞いたら、その医師の治療を受けたくなったというケースもあると思います。
制度とルールを十分理解した上で、一方、人と人の関係ですから今の主治医とそりが合わなくて困っていらっしゃるケースもあると理解しています。

だからあえて一歩踏み込んで「セカンドオピニオンと転院」の関係について、色んな患者さんたちの失敗例と成功例をもとに次の「セカンドオピニオンから転院の流れ」としてまとめます。

「セカンドオピニオンから転院」の流れ

ステップ1: 主治医にセカンドオピニオンの紹介状を書いてもらう(前述)

ポイントは、主治医との関係を悪化させないことです。いま気まずい関係にあるとしたら双方に原因があったのかもしれませんし、万が一、転院となると再び主治医に紹介状をお願いすることになります。

ステップ2: セカンドオピニオン受診

セカンドオピニオン外来で医師から説明を聞き納得し、どうしても転院したいと感じたら、その場で相談してみてはいかがでしょうか?
ただ、その医師からなぜ転院を希望されるのか理由を聞かれる可能性はあります。
ある患者さんの失敗例ですが、今の主治医とそりが合わないのでと伝えたら、先方が警戒され良い雰囲気にならなかったと言われていました。

ステップ3: 転院する場合

主治医に転院をしたいので紹介状を書いて欲しいとお願いしてください。
“立つ鳥跡を濁さず”
万が一、主治医から理由を教えてほしいと聞かれたら本コラムの「主治医への伝え方」を参考にして相手を傷つけないような伝え方はいかがでしょうか。

転院する際の注意点

私はこれまで転院して後悔されている患者さん・ご家族に大勢お会いしたため、基本的には転院をお勧めしない派です。
なぜなら、転院には幾つかのリスクを伴うからです(関連記事:「転院」で失敗しないために、知っておくべきリスク5つと正しい転院のポイント)。
以下、セカンドオピニオンを取得する際、さらに転院を検討する際の注意点についてまとめます。

❏ 主治医との関係を悪化させないこと

これまでの経緯といろんな事情があるのだと思いますが、患者さんの状態を一番理解している医師は、主治医です。そしてセカンドオピニオンを受けるにしても、転院するにしても主治医からの紹介状が必要です。
一時の感情で関係をこじらせてしまい、ご自身が苦しむことの無いようにして頂きたいです。

❏ 我慢しないこと

上記と矛盾するように聞こえるかもしれませんが、がん治療という大切な時に、変な我慢をする必要はないと思います。
セカンドオピニオンを聞いてみたかったら聞くべきですし、転院を希望だったら真摯に誠実にそれを主治医に伝えるべきだと思います。
変な我慢はして頂きたくないです。 

❏ 5つのリスク

別途まとめてある“「転院」で失敗しないために、知っておくべきリスク5つと正しい転院のポイント”をご参照ください。

最後に

セカンドオピニオンという制度は、患者と家族が納得して次の治療を受けるためにとても良い制度だと思います。
ぜひ、上手く活用してください。

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