【ストーリー】池田実さん すい臓がん ステージ4 サバイバー

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すい臓がん(膵体部癌) ステージ4サバイバー 池田実さんのストーリーです。

このストーリーの目次

  1. 【ストーリー】池田実さん すい臓がん ステージ4 サバイバー
  2. 第1話「IT業界を経て会社設立へ」
  3. 第2話「胃腸の不快感」
  4. 第3話「唐突なすい臓がん告知」
  5. 第4話「入院~検査ずくめの日々」
  6. 第5話「余命3ヶ月」
  7. 第6話「医師が決断したオペ」
  8. 第7話「手術を終えて」
  9. 第8話「退院・帰宅」
  10. 第9話「死の受容と抗がん剤治療」
  11. 第10話「治療の終了へ」
  12. 第11話「復職。がんから2年。」
  13. 第12話「薬の力を借りながら」
  14. 第13話「5年を迎えて」

第2話「胃腸の不快感」

大学卒業後、35年間勤務した大手電機メーカーのIT子会社を2001年に退職した千葉県船橋市在住の池田実さん(74歳、2005年当時62)は、2005年に自分のITベンチャー会社を設立した。

池田さんが代表権を持つITベンチャー会社は、データをパソコンの中ではなく他の場所にあるサーバーに保有できるセキュリティーシステムを開発・販売する会社だった。
この仕組みの利点は二つ。
まず、データの盗難・紛失の心配がない。なぜなら、パソコン本体に大切なデータが存在しないからだ。
そして、どこでも、自分のパソコンでなくても、仕事ができるという画期的な製品だった。
ベンチャー企業の社長だから主な仕事は営業活動で、毎日、足しげく、さまざまな企業を訪問した。

だが、やってみると、とてつもなく苦労する。
製品とアイデアは良くコストも安いのだが、販売対象の企業が相手にしてくれない。
セキュリティーと利便性を追求するソフトウェアなので大手の企業なら歓迎してくれるかと思ったら、海のものとも、山のものとも知れないITベンチャー会社の商品は、警戒して買ってくれない。
つまり、信用度が低いとされるのだ。

一方、中規模以下の中小の企業に話を持っていくと、セキュリティーにお金をかけられないとして買ってくれない。
門前払いをする企業も少なくなかった。
珍しく会ってくれる企業に、詳しく説明するとアイデアだけ持っていかれて、同じようなものを自社で開発されてしまうケースすら出てきて、うかつに営業できない。

そんなさなか、2008年9月、リーマンショックが起こる。
世界を震撼させた金融危機だ。
ただでさえうまくいっていない事業なのに、相手先がコストを抑制したため池田さんたちは苦境に立たされる。
精神的に苦しく、寝不足とストレスから参っていく。
毎日考えることは、なかなか伸びない業績のこと、毎月の支払の工面。
つらく一人で苦悩する日々が続いた。

そう言えば、2001年に大手企業のサラリーマンを辞めてから、もう8年以上、健康診断・人間ドックを受けていない。
気が付けばあっと言う間に時間が過ぎていた。

2012年8月、池田さんは68歳になっていた。
この頃何となく胃腸の調子がイマイチでかすかに不快感がある。たまに下痢がでる日もあった。
そんな時、妻がこう言った。
「今日、私、病院に行くから一緒に診てもらったらどう?」

次のページを読む >> 第3話「唐突なすい臓がん告知」

この記事の著者

大久保 淳一(5yearsプロフィール)

日本最大級のがん患者支援団体 NPO法人5years理事長、本サイト(ミリオンズライフ)の編集人。
2007年、最終ステージの精巣がんを発病。生存率20%といわれる中、奇跡的に一命をとりとめ社会に復帰。自身の経験から当時欲しかった仕組みをつくりたいとして、2014年に退職し、2015年よりがん経験者・家族のためのコミュニティサイト5years.orgを運営。2016年より本サイトを運営。
現在はNPO法人5years理事長としてがん患者、がん患者家族支援の活動の他、執筆、講演業、複数企業での非常勤顧問・監査役、出身である長野県茅野市の「縄文ふるさと大使」として活動中。
>>新聞、雑誌、TV等での掲載についてはパブリシティを参照ください。
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